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枠をはみ出せない女性リーダー|EOSの考え方で勇気が持てる

白いスーツに赤いインナーを着た女性リーダーが笑顔を見せている。見出しテキスト「枠をはみ出せない女性リーダー EOSの考え方で勇気が持てる」が重ねられている。 EOS×私らしい働き方

「空気を読む」「波風を立てない」。こうした“あるある”が、日本社会のリーダー、とくに女性リーダーには根強く残っています。しかし、リーダーには時に「枠をはみ出す勇気」が求められます。

この記事では、日本人女性リーダーがその美徳に縛られすぎず、EOS (Entrepreneurial Operating System®) のツールを使って、自信と勇気を持って前進する方法をお伝えします。

日本人は「枠をはみ出さない」ことを美徳としてきました。たしかに、協調性や秩序を重んじる姿勢は強みになります。しかし一方で、リーダー育成という観点では、この「枠」が壁になってしまう場面も少なくありません。

日本人と“枠をはみ出さない”文化

日本では、学校教育の中で「枠から出ない」習慣が自然に育まれます。たとえば、塗り絵で線をはみ出さずに塗ることや、皆と同じ行動をとることが良いとされる風潮です。その結果、ルールを守ることや秩序を重んじる感覚が強く根付いていきます。

さらに社会や職場に出ても、「和を乱さない」ことが優先される傾向があります。個人の意見をはっきりと主張するよりも、空気を読むことが重視されるのです。この文化は協調性を生み出す一方で、新しい発想や率直な議論を抑え込んでしまうこともあります。

女性リーダーが直面する“枠”の壁

白いスーツに赤いインナーを着た女性リーダーが、真剣な表情で前を見つめている。職場の「枠」という壁に直面する姿を表現。

とくに女性リーダーは、職場で「遠慮する」「我慢する」「波風を立てない」といった役割を期待されやすい立場にあります。本当は課題だと思っていても言い出せなかったり、自分の考えを抑えてしまったりするケースが少なくありません。

前に出ないことが美徳とされ、「女性は1歩どころか3歩男性の後ろを歩く」「男性を立てなければならない」といった価値観が、つい最近まで根強く存在していました。残念ながら今でもその影響は色濃く残っています。

さらに「女のくせに」「生意気だ」と言われたり、同じ意見を言っても「気が強い」と受け取られることもあります。そのため、黙ってやり過ごすことが“荒立てない最善の方法”だと考えてしまう女性リーダーも少なくありません。

結果として、意見や課題をオープンに出せず、リーダーとしての成長機会を逃してしまいます。つまり、日本人文化に根付いた「枠」が、女性リーダーの挑戦や成長を制限しているのです。

EOSで“枠”を超える勇気を持つ

日本人文化に根付いた「枠」は、女性リーダーにとって大きな壁になります。しかし、EOSのツールはその壁を乗り越える具体的な方法を与えてくれます。ここでは、課題をオープンに出す勇気をくれるIDSと、本質に集中する勇気をくれるRocksを取り上げます。

IDS=オープンで正直に課題を出す

女性リーダーが直面する大きな課題の一つは「言いたいことを言えない」ことです。EOSのIDSは、課題をIdentify(特定する)、Discuss(議論する)、Solve(解決する)という手順に落とし込みます。この流れに従うことで「遠慮する」「黙る」という枠を超え、オープンで正直に課題を共有できるようになります。

ポイント:EOSでいう「オープンで正直」とは、単に思ったことを口にすることではありません。相手を攻撃するのではなく、事実や感じている課題を率直に共有し合うことを意味します。日本の職場では「黙ってやり過ごす」「空気を読む」が美徳とされがちです。しかしそれでは問題が表に出ず、解決もできません。

たとえば「このプロセスに無駄があるのでは?」「この数字が下がっているのは気になる」と発言することです。そして、それをチーム全員が受け入れる文化を作ることです。つまり、耳障りのいい言葉や建前でごまかすのではなく、本当に組織を前に進めるために必要な“率直な対話”を重視する姿勢なのです。

この姿勢を持てるリーダーは、チームに安心感を与えます。なぜなら「本音を言ってもいい」「問題を出しても大丈夫」という心理的安全性が生まれるからです。その結果、女性リーダー自身も部下も課題を共有しやすくなり、組織全体が前進しやすくなります。

オープンで正直に話すメリット

最大のメリットは、問題解決のスピードが上がることです。課題を早めに出せるので、対応が後手に回らず停滞を防げます。また、率直に話す姿勢が「誠実さ」を伝え、信頼が高まります。

信頼関係ができると、部下も意見や課題を安心して出せます。心理的安全性が高まり、結果としてリーダーの負担も減ります。組織全体の前進力も大きくなります。

オープンで正直に話すデメリット

一方でデメリットも存在します。議論が白熱し、対立のように見えることがあります。慣れないうちは「空気を読まない」と受け取られることもあるでしょう。

また、正直な発言が一時的に誤解される可能性もあります。さらに、全員が同じ姿勢を持たなければ、一部の人だけが頑張っているように見えるリスクもあります。つまり、勇気を出す最初のハードルが高いのです。

ポイント:女性リーダーにとって「オープンで正直に話す」ことは非常に重要です。リーダーの使命はチームや会社に成果をもたらすことだからです。課題を隠していては前進できません。むしろ本音を率直に出すことで、組織全体の力を引き出し、成果を積み重ねることができます。勇気を持って「正直に話す」リーダーこそが、組織を次のステージに導いていくのです。

石(Rocks)=本質的な20%に集中する勇気

女性リーダーの「あるある」として、次のような状況がよく見られます。

  • 頼まれごとをされると断れない。そのため自分のやらなければいけない仕事が中途半端になってしまう、あるいはできなくなってしまう
  • 自分の役割の範囲外の仕事まで引き受けてしまい、結果的にストレスが増えてしまう

石(Rocks)は、四半期ごとに「最優先で取り組むべき3〜7個の課題や目標」を決める仕組みです。「これは自分の石だから優先する」「これは石ではないから今はやらない」と線引きができるようになります。

この仕組みがあることで、頼まれごとを無理に引き受けずに断る勇気を持てます。役割外の仕事を抱え込まずに済むため、リーダー自身の負担が減ります。その結果、成果を出すスピードも上がります。

ポイント:石(Rocks)は「やらないことを決める」勇気を与えます。女性リーダーが最優先の課題に集中できるようにし、余計なタスクを断れる仕組みを持つことが、組織全体の成果につながるのです。

まとめ|枠を超える勇気が未来を変える

白いスーツに赤いインナーを着た女性リーダーが、笑顔で拳を握りしめ前向きな意志を示している。枠を超える勇気を表現。

日本人の文化には「枠をはみ出さない」ことを美徳とする面があります。そのため女性リーダーは遠慮や我慢を選び、課題を出さずに黙ってやり過ごしてしまうこともあります。しかし、それでは自分自身の成長も、チームや会社の前進も止まってしまいます。

EOSのツールであるIDSは「言う勇気」を、石(Rocks)は「断る勇気」を与えてくれます。この2つを実践することで、女性リーダーは無理に頑張らなくても、仕組みの力で自然と枠を超えられるのです。

勇気を持ってオープンに話すこと。勇気を持って優先順位を守ること。その一歩一歩が、あなたのチームに安心感を生み、成果を積み重ねる力となります。

メッセージ:女性リーダーは「枠を守る人」ではなく、「新しい枠を引き直す人」です。あなたが勇気を出して声を上げ、やるべきことに集中することで、チームも組織も未来へと動き出します。

書籍紹介|『TRACTION』とは?

『TRACTION』は、EOS(Entrepreneurial Operating System®)の公式ガイドブックです。L10ミーティング(10点満点ミーティング)、石(Rocks)、スコアカードなど、経営やチーム運営をシンプルにするためのツールが体系的に解説されています。

今回の記事で扱った「オープンで正直に課題を出す勇気」や「本質的な20%に集中する勇気」も、この書籍で詳しく説明されています。特に女性リーダーが「完璧にやらなければ」という思考から、「前進するために優先順位を守る」という実践へ切り替えるうえで大きな助けとなります。

仕組みを武器にして成果を出したいリーダーにとって、必ず役立つ一冊です。

『TRACTION』ビジネスの手綱を握りなおす 中小企業のシンプルイノベーション
ジーノ・ウィックマン 著

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