ルールはなぜ、こんなにも増えるのか?
気がつけば、朝一番に開くシートが5つ。 確認しなければならないチャットやドライブのフォルダが6つ。 新人用マニュアルは、日々更新され分厚くなる一方——。
単純化は「時短テクニック」ではない
単純化とは、単に手間を減らすことではありません。 「迷わない」「ぶれない」「責任が明確」という強い組織をつくるための“設計力”なのです。
ルールも工程も“雪だるま式”に増える理由
トラブルが起きたとき、「今後はこうしよう」と新しいルールが生まれる。
誰かが見落としたことで「チェックシート」が追加される。
業務の質を保つために工程を分けたら、結果的に「手間だけが増えた」——。
このように、良かれと思って始めたことも、結果的に現場の負担になってしまうことがあります。
しかも、それが“一人のため”だったり、“一度きりの例外対応”だったりすることも珍しくありません。
人は放っておくと、どんどん複雑にしてしまう
仕事が増えたと感じるとき、本当に業務が増えたのでしょうか?
実は、多くの場合は「工程」「チェック」「確認すべき情報」が増えたことで、“やることが多い”と錯覚しているケースもあります。
特に、感受性が豊かで丁寧な対応をしがちな女性リーダーは注意が必要です。
というのも、「誰かのために」「念のために」と複雑さを受け入れてしまいやすい傾向があるからです。
EOSのツールで“複雑さ”に立ち向かう
Entrepreneurial Operating System(EOS)には、複雑になりがちな組織運営を整理する仕組みがあります。
そのために使えるツールが、数多く用意されているのです。以下はその代表例です。
ツール名 | 単純化できること |
---|---|
ビジョン・トラクション・オーガナイザー(VTO) | 経営方針や目標をA4・2枚に要約。社員全員が同じ方向を見るための土台。 |
アカウンタビリティチャート | 役割と責任をシンプルに再設計。肩書きではなく“機能”で構造をつくる。 |
スコアカード | 追いかける数値を絞り込む。見なくてよい数字を手放せる。 |
Rocks(四半期目標) | 「今、最も大事なこと」だけに集中。優先順位を明確に。 |
IDS(課題解決) | 問題を一つひとつ深掘りし、根本から解決。「悩む」から「動く」へ。 |
一番複雑にしているのは、自分の“考え”かもしれない

目の前の仕事に追われる毎日。
チェックリストをこなして、資料を作って、会議を回して…
「今日も頑張った」と思えるけれど、果たしてそれは“リーダーとしての仕事”でしょうか?
本当に大事なのは、「私が考えるべきことは何か?」を明確にし、“考える時間”を確保することです。
過去、女性は雑用や補助業務を任されがちでした。
しかし今は、女性リーダーが本来の役割を担う時代に変わりつつあります。
リーダーであるあなたが、力を発揮するためには、「任せる」ことも仕事のうち。
EOSでは、役割の明確化をとても重視しています。
そのために活用するのが、アカウンタビリティチャートです。
そのため、頼まれたことにすぐ「はい」と言う前に、一度だけ考えてみてください。
「これは私の役割なのか?」——。
そうやって考えを“シンプルに整える”習慣こそが、あなたの時間と力を守ってくれます。
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単純化できる女性リーダーは、強い
実は、物事をシンプルに捉える力は、「冷たさ」や「割り切り」とはまったく別のものなのです。
それは、“目的を見失わず、チームを前に進める力”です。
「何を大切にしたいか」を見極める
迷ったとき、リーダーの役目は「大事なことは何か?」を問い直すこと。
「あれもこれも」は、結局どれも実現できません。
優しさも丁寧さも、単純化された仕組みの上でこそ活きるのです。
何事も「シンプルに、シンプルに」
今ある仕組み、工程、会議、シート、チャット…
一度立ち止まり、「これ、本当に必要?」と問いかけてみてください。
それを日々実行できる人は、間違いなく“すごい女性リーダー”です。
単純化が「言い切る力」を育てる
多くの女性が、会議や報告の場で「〇〇だと思います」「たぶん〇〇かと…」と控えめな表現をしてしまいます。
それは、確信が持てないことや、「断定していいのか」という遠慮があるからかもしれません。
一方で、業務やルールが整理されると、思考の整理もしやすくなります。
その結果、自分の考えも単純化されていくのです。
「これは〇〇です」と言い切る力が育っていきます。
単純化とは、自分を制限していた“もやもや”をクリアにする作業。
本質が見えてくると、自信を持って言葉を発することができるようになるのです。