頑張っているのに成果が出ない。やっていることが間違っているわけではないのに、なぜか空回りしてしまう——。そんな感覚を抱えている女性リーダーは少なくありません。
一方で、「どんどん成長できている」と実感できる人もいます。実はこの差は、才能や努力だけでなく、“好循環”が回っているかどうかにあります。
本記事では、「成長の好循環」を生む鍵として、EOSのツール「GWC」や、『ビジョナリー・カンパニー2』の“フライホイール”の考え方をもとに、自分の強みと弱みをどう見極めるかを解説します。
「成長の好循環」とは何か?
まず理解しておきたいのは、「成長の好循環」は偶然生まれるものではないということです。意図的に自分の強みを活かす構造をつくることで、はじめて自然と回り出します。
やればやるほど、成長できる“強みのループ”
得意なこと・好きなこと・できることが重なり合うと、やればやるほど成果が出て、自信がつき、さらに努力したくなる。この好循環のサイクルこそが、あなたを次のステージに押し上げる原動力になります。
努力しても報われない“悪循環”との違い
逆に、向いていないこと・苦手なことに長時間取り組んでいると、成果が出にくく、疲弊し、モチベーションも下がります。これが「頑張っているのに空回り」している状態です。
成長の好循環を生む鍵は「自己理解」
では、どうすれば好循環を生み出せるのでしょうか? その第一歩は、自分の「強み」と「弱み」を正直に見極めることです。
得意・好き・できる(GWC)が揃う領域を知る
EOSのツール「GWC」は、まさにこの“強みが重なるポイント”を見つける手助けになります。
GWCの観点 | 確認の問い |
---|---|
Get it(理解しているか) | 仕事内容や期待される役割を、直感的・論理的に理解できているか? |
Want it(やりたいか) | その仕事にやりがいや楽しさを感じているか? |
Capacity to do it(実行できるか) | 時間・能力・精神的な余裕があり、成果を出せる状態にあるか? |
この3つが揃っている仕事に集中すると、スキルも成果も自然に伸びていきます。
不得意なことは、さらけ出して任せる
ヴィスコット博士は著書『自分のベストを引き出す法』の中で、こう述べています。
「リスクを取らなければ、成長できない。成長できなければ、最高の自分になれない。幸せになれなければ、他に重要なものなどあろうか?」
— デイヴィッド・ヴィスコット
苦手なことを無理に抱えるのではなく、オープンに弱みをさらけ出し、誰かに任せることも、成長のための「リスク」です。これは、『Who Not How』の考え方にも通じます。
フライホイール思考で、加速する私になる

『ビジョナリー・カンパニー2』では、「フライホイール(弾み車)」という概念が登場します。最初は重くてなかなか回らないけれど、少しずつ積み重ねることで、やがて勢いがついて回り続ける——。
これは、まさに成長の好循環を表すイメージです。
GWCが揃った仕事を続けることで、あなた自身の「フライホイール」が回り始めます。最初はゆっくりでも、少しずつ加速し、やがて成長が“自走”し始めるのです。
まとめ|弱みをさらけ出せる人が強くなる
「もっと頑張らなきゃ」と思っていたら、まず立ち止まって自分の強みと弱みを見直すことから始めてみましょう。
GWCの3つが揃っている仕事こそ、あなたのフライホイールを加速させる場所。好循環のスタート地点です。
そして、弱みをさらけ出すことは恥ではありません。それは、成長の選択であり、自分らしくリーダーシップを発揮するための第一歩です。
あなたのフライホイールを、今日から静かに回し始めてみませんか?
※本記事は、EOS(Entrepreneurial Operating System)および『ビジョナリー・カンパニー2』『自分のベストを引き出す法』の考え方をベースに構成しています。
書籍紹介|成長のヒントになる4冊
『TRACTION(トラクション)』|成長を支える“仕組み”を学ぶ
成長の好循環は、情熱や努力だけでは回りません。『TRACTION』は、会社やチームのビジョン実現に向けて、再現可能な“成長の仕組み”をつくるためのツールを教えてくれます。この記事で紹介した「GWC」もその一つ。感覚に頼らず、着実に回せるフライホイールをEOSで設計してみませんか?
『ビジョナリー・カンパニー2』|“フライホイール”という成長の比喩
成果が出るまでに時間がかかっても、あきらめずに積み重ねる。その繰り返しが、やがて大きな成長の流れになる——。そんな考え方を“フライホイール”という言葉で見事に表現した一冊です。「今は遅くても、きっと回り出す」、そんな勇気をもらえる本です。
『Who Not How』|「どうやるか」より「誰とやるか」
できないことを無理に自分でやろうとするのではなく、それが得意な“Who”に任せる。この発想の転換は、女性リーダーが抱え込みを手放し、チームで成果を出すマネジメントへの第一歩になります。弱みをさらけ出すことは、怠けではなく、戦略です。
▶WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」
『自分のベストを引き出す法』|本音と向き合い、成長を選ぶ
本記事でも紹介した、精神科医ヴィスコット博士の名言は、今なお多くの人の心に響きます。「成長できなければ、最高の自分にはなれない」。その言葉は、誰かと比較するのではなく、自分自身と誠実に向き合う勇気をくれます。リーダーとして、ひとりの人として読みたい一冊です。