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なぜ部下は受け身になるのか?|自走へ導くEOSの仕組み

オフィスで笑顔を見せる女性リーダー。なぜ部下は受け身になるのか?自走へ導くEOSの仕組みを解説する記事のアイキャッチ画像 EOSツール実践ガイド

「指示がないと動けない部下」と「自ら考えて行動できる部下」。

同じチームにいても、この差は大きく、女性リーダーの悩みの種になりがちです。

受け身の部下は、仕事を「言われたことをこなす作業」と捉えがちです。
一方で自走する部下は「自分の役割」を理解し、目的に沿って動けます。

両者の違いは、才能や性格だけではありません。
会社のビジョンが共有されているか、責任が明確になっているかで大きく変わるのです。

つまり、部下が自走できるかどうかは、仕組みと環境づくり次第です。

この記事では「受け身」と「自走」の違いを整理し、女性リーダーが実践できる「ビジョン共有」と「責任の明確化」のポイントを紹介します。

さらに、全社的に仕組みを整える方法としてEOS(起業家型組織運営システム)にも触れていきます。

EOSとは?
EOS(Entrepreneurial Operating System)は、経営者やリーダーが組織をシンプルに、そして力強く動かすための実践的なシステムです。
ビジョンの共有から人材配置、会議の進め方まで、会社経営に必要な要素を「6つのコアコンポーネント」に整理しています。
世界中の中小企業が導入し成果を上げている、実践型の経営システムです。

なぜ部下は受け身になってしまうのか?

「どうしてうちの部下は指示待ちなのか?」と悩む女性リーダーは少なくありません。
しかし、多くの場合、それは個人の性格や能力だけが原因ではありません。

部下が受け身になってしまう背景には、次のような要因があります。

  • ビジョンが共有されていない:自分の仕事の意味やゴールが見えないため、「言われたこと」しかできない。
  • 責任の所在があいまい:誰が最終責任を持つのか分からず、積極的に動くとリスクがあると感じてしまう。
  • リーダーが細かく指示を出しすぎる:部下が考える前に答えが提示されるため、習慣的に指示待ちになる。

つまり、受け身の部下を生み出しているのは、本人の資質ではなく組織の仕組みやマネジメントのスタイルであることが多いのです。

受け身の部下と自走する部下の違い

では具体的に、受け身の部下と自走する部下にはどのような違いがあるのでしょうか。
日常の仕事ぶりを比べると、その差は一目瞭然です。
行動の主体性や目的理解の有無によって、大きな差が生まれます。

以下の表は、受け身の部下と自走する部下の行動特性をまとめたものです。
どちらが組織にプラスの成果をもたらすかは、一目で理解できるでしょう。

項目受け身の部下自走する部下
行動のきっかけ上司の指示がないと動けない目的に沿って自ら動ける
仕事の捉え方「言われたことをやる作業」「自分の役割を果たす責任」
課題への姿勢問題があっても待ちの姿勢課題を見つけ改善を提案
結果への態度「言われた通りやった」と責任転嫁しやすい成果も失敗も自分ごととして受け止める
変化対応指示がなければ止まってしまう状況を読み「次の一手」を考える
表:受け身と自走の部下の比較

受け身の部下は「言われたことをやる作業」にとどまりますが、
自走する部下は「目的を理解し、自分の役割を果たす責任」を持って動きます。
この違いを生み出すのは、性格ではなく仕組みや環境です。

受け身の部下を“自走”に変える3つのポイント

拳を握り前向きな表情を見せる女性リーダー。受け身の部下を自走へ導くためのポイントを象徴するイメージ

ここまで見てきたように、部下が受け身になるのは性格や能力の問題ではなく、仕組みや環境の影響が大きいのです。
では、女性リーダーはどのようにして部下を“自走する存在”へと育てていけばよいのでしょうか。そのカギとなるのが次の3つです。

  1. ビジョンを共有し、仕事の意味を伝えること
  2. 役割と責任を明確にすること
  3. リーダーが覚悟を持って任せること

それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。

1.ビジョン共有が自走を生む

部下が自走できない大きな理由のひとつは、自分の仕事がどんな未来につながっているか分からないことです。
ゴールが見えなければ、人はどうしても「与えられた作業」にとどまりがちです。

反対に、会社のビジョンが明確に示され、日々の仕事とつながっていると実感できれば、部下は「自分の役割」を主体的に果たそうとします。
ビジョンは単なるスローガンではなく、部下一人ひとりが目的意識を持って行動するための指針になるのです。

女性リーダーがすべきことは、ビジョンを作るだけでなく、繰り返し語り続けることです。
日常業務の中で「この仕事は会社の目指す姿にどうつながるのか」を伝えれば、部下の視点は受け身から自走へと切り替わっていきます。

2.役割を明確にすることで人は動き出す

受け身の部下が生まれる背景には、「誰が最終責任を持つのか」があいまいな状態があります。
責任の所在が不明確だと、人は「誰かがやってくれるだろう」と考え、指示待ちに陥ってしまいます。

反対に、自分が最終的に責任を持つと分かれば、主体的に動かざるを得ません。
役割を明確にすることは、部下を受け身から自走へ変えるための重要なポイントです。

この「責任の明確化」をシステムとして取り入れているのが、EOSのアカウンタビリティチャートです。
「誰がどの役割を担うか」を一目でわかる形に整理し、チーム全体の動きをスムーズにします。

3.女性リーダーの役割は“任せること”

部下が自走できるかどうかは、女性リーダーの関わり方にも大きく左右されます。
あれこれ細かく指示を出し続ければ、部下は「言われたことしかやらない」状態に固定されてしまいます。

女性リーダーの本当の役割は、部下に仕事を“任せること”です。
任せることで初めて、部下は自分の頭で考え、行動し、結果に責任を持つようになります。

もちろん、ただ放任するのとは違います。
女性リーダーは目的や期待する成果を伝え、進捗を確認し、必要に応じて支援する。

この「任せるけれど見守る」姿勢が、部下を受け身から自走へと導いていきます。

こうした姿勢が、部下に“自分で動く勇気”を与えます。

まとめ|仕組みで受け身から自走へ

このように、両者の違いは日常のあらゆる場面に現れます。
女性リーダーとして重要なのは、「どうすれば受け身の部下を自走へと変えられるか」という視点です。

受け身の部下と自走する部下の違いは、性格や能力の差ではありません。
会社のビジョンをどれだけ共有できているか、そして責任が明確になっているか――この2つの仕組みで大きく変わります。

女性リーダーが「任せる覚悟」を持ち、部下が「自分の役割」を理解できれば、誰でも自走型の働き方に近づけます。

さらに一歩踏み込んで仕組みを整えたい方へ
EOS(起業家型組織運営システム)には、役割の適性を判断するGWC、リーダーの行動指針を整理したLMA、課題を見える化するスコアカードやアカウンタビリティチャートなど、具体的なツールが揃っています。
これらを活用すれば、受け身の部下を自走へ導き、組織全体を力強く前進させることができます。

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