感謝を心で思っていても、つい言葉に出すのを忘れてしまう。
「わざわざ言わなくても伝わっているはず」と思ってしまう。
そんな“ありがとう不足あるある”はありませんか?
「ありがとう」という言葉をきちんと口に出して伝えると、本当に自分も変われます。
そして、その変化はチームにも広がっていきます。
この“感謝を伝える力”を組織に広げる仕組みとして役立つのが、EOS(Entrepreneurial Operating System)です。
EOSは、アメリカの中小企業で広く導入されている「起業家型組織運営システム」です。
ビジョンの共有、役割の明確化、数値管理、課題解決といった仕組みを通じて、会社をシンプルに成長させることを目的としています。
感謝や承認の文化も、EOSの仕組みの中でリーダーが育む重要な要素です。
なぜ「ありがとう」がリーダーシップを強くするのか

「ありがとう」は単なる挨拶ではありません。リーダーが意識的に口に出すことで、チームに大きな効果をもたらします。
- 信頼関係を築く
感謝を伝えられた部下は「自分の努力を見てもらえている」と感じ、リーダーへの信頼が増します。 - モチベーションを高める
「ありがとう」と言われることで、誰もが「もっと貢献しよう」と前向きになりやすくなります。 - チーム全体の雰囲気を明るくする
感謝の言葉は伝染し、メンバー同士の関係性をポジティブに変えていきます。
つまり、「ありがとう」を習慣にするだけで、女性リーダーは自然と人を動かせます。成果を引き出すリーダーシップも強化できるのです。
EOSのLMAで「ありがとう」を活かす
EOSのリーダー像を支える要素のひとつが「LMA(Lead, Manage, hold Accountable)」です。
この中でも「ありがとう」という感謝の言葉は、Lead(導く)とManage(支える)を実践するうえで欠かせない力になります。
LMAはEOS(Entrepreneurial Operating System)でリーダーに求められる3つの実践を指します。
Lead(導く)|方向性を示し、前に進ませる
Manage(支える)|人や業務を整え、動かす
hold Accountable(責任を問う)|役割を果たしているか確認する
リーダーはこの3つを実践することで、チームを成果へと導きます。
Lead:感謝で人を前に導く
リーダーは人を動かす存在ですが、命令や叱責だけではチームは前に進みません。「ありがとう」を伝えることで、メンバーの努力が認められ、自発的な行動につながります。感謝は人を前進させる力です。
Manage:感謝で関係性を支える
管理の役割は、タスクだけでなく人との信頼関係を保つことにもあります。日々のマネジメントで「ありがとう」を伝える習慣を持ちましょう。そうすることでチームの安心感が増し、心理的安全性も高まります。
Accountable:感謝で責任を強める
「ありがとう」を言葉にすることで、メンバーは「自分の役割を果たせた」と実感できます。これは責任をポジティブに受け止めるきっかけになり、次の挑戦への意欲を高めます。
「ありがとう」がもたらすリーダーシップ効果
感謝の言葉は一見シンプルです。けれど、リーダーシップやマネジメントにおいては大きな力を発揮します。「ありがとう」を活用することで、次のような効果が生まれます。
シーン | 「ありがとう」の効果 |
---|---|
メンバーの行動を認める | モチベーションが上がり、自発的に動くようになる |
日常のマネジメント | 安心感や信頼関係が強まり、心理的安全性が高まる |
役割の遂行を確認 | 責任を前向きに受け止め、次の挑戦につながる |
まとめ|感謝をマネジメントに組み込む
「ありがとう」は無料で誰でも使える言葉です。ですが、リーダーにとっては最強のマネジメントツールになります。メンバーの努力を認め、関係性を支え、責任を前向きにする力を持っています。
さらに、感謝を口にすることでリーダー自身も前向きな姿勢を保てます。つまり「ありがとう」はチームと自分を同時に成長させる言葉なのです。
EOSのLMA(Lead, Manage, hold Accountable)を実践する際にも、「ありがとう」を積極的に活用することは効果的です。仕組みと感謝の言葉を組み合わせることで、成果を出し続ける強いチーム文化を築けます。
書籍紹介|『TRACTION』で学ぶEOSの実践力
『TRACTION』は、EOS(Entrepreneurial Operating System)の公式ガイドブックです。
アメリカの中小企業で多く導入されてきたEOSの仕組みが、経営者やリーダーがすぐに実践できる形でまとめられています。
本書では、L10ミーティング(週次ミーティング)、石(Rocks)、スコアカードなどのツールを通じて、リーダーが「完璧主義から前進主義」へと切り替えるための実践的な方法が紹介されています。
「ありがとう」のような日常的な言葉も、EOSのフレームワークと掛け合わせることで、組織を動かす力へと変えていけます。
仕組みを武器にして成果を出したい女性リーダーにとって、まさに実務に直結する一冊です。
▶『TRACTION』ビジネスの手綱を握りなおす 中小企業のシンプルイノベーション
ジーノ・ウィックマン 著