「コミュ障」でも成果を出せる?
近年、「コミュ力(コミュニケーション能力)」が高くない人でもリーダーとして成果を出すケースが増えています。特に女性リーダーの場合、「気配りは得意だけど、自分から発信するのは苦手…」という声もよく聞かれます。
でも安心してください。リーダーに求められるのは「話術」ではなく、「人を正しく認め、行動を促す力」です。つまり、成果を生み出す“仕組みある関わり”ができれば、コミュ力に自信がなくてもチームは動かせるのです。
マネジメント5つの実践|褒賞と承認の重要性
マネジメント5つの実践とは?
EOSでは、マネジメントの基本として「5つの実践」が定義されています。それぞれの内容がより具体化され、現場で実行しやすくなっています。
EOSでの5つの実践内容
マネジメント5つの実践 | 主なポイント |
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① 期待を明確にしている | 役割・コアバリュー・石・数字を共有し、期待をすり合わせている |
② 良いコミュニケーションをとっている | 思考の共有、感情の理解、質問と指示のバランスがある |
③ 正しいミーティングのリズムを持っている | 週次・月次・四半期のリズムで進捗や数字を見える化している |
④ 四半期の話し合いを持っている | 5-5-5ミーティングやピープルアナライザーで価値観と成果を確認 |
⑤ 褒賞と承認を行っている | 日々の姿勢や成果をタイムリーに認め、フィードバックしている |
この中でも特に「褒賞と承認」は、リーダーとしてチームにエネルギーを与えるために欠かせない実践です。次のセクションでは、その具体的な実行方法について詳しく解説します。
今回フォーカスしている「褒賞と承認を行っている」は、この5つの中でも“人を動かす土台”となる非常に重要な実践です。
その中のひとつが、
「Recognize & Reward(褒賞と承認を行っている)」という項目です。
これは、「リーダーは、メンバーの努力や成果をしっかり見て、正しく認める責任がある」という考え方に基づいています。承認されないまま働くチームは、いつしか熱量を失い、行動が停滞してしまうからです。
なぜ「褒賞と承認」が重要なのか?
5つの実践すべてがチームマネジメントにおいて重要ですが、「褒賞と承認」は特に感情と信頼に関わる要素であり、人を動かす原動力になります。
目に見える成果だけでなく、日々の行動や姿勢を認めることで、「このチームで頑張りたい」という気持ちが育ちます。これは、コミュニケーションが苦手なリーダーにとっても実践しやすく、効果が出やすいポイントです。
だからこそ、次のセクションでは「褒賞と承認」をどう実行に移すかを深掘りしていきます。
褒賞と承認の3原則(EOS推奨)

- ① 良いフィードバックも悪いフィードバックも24時間以内に行う
→後回しにせず、その場で伝えることで信頼関係が育ちます。 - ② 褒めるときは人前で、批判するときは2人きりで
→場面を選ぶ配慮が、安心して挑戦できる空気を作ります。 - ③ 上司は友達ではない
→「なあなあ」にならず、信頼と尊敬を土台にした関係性を築くことがリーダーの役割です。
これらは、リーダーが「関係性に依存せず、人を育てる」ための実践ルールとして機能します。
褒めベタでもできる!承認力を高めるコツ
「行動」や「姿勢」に目を向ける
「結果が出ていないから褒められない」と思っていませんか? でも、プロセスや姿勢を承認することで、人は次に進む勇気を持てます。
たとえば:
- 「昨日、誰よりも早く出社してたよね。すごいね」
- 「あの時、〇〇さんの話をじっくり聞いていて助かった」
- 「資料づくり、工夫が伝わってきたよ」
こうした“具体的な行動”への言葉は、何よりのモチベーションになります。
「褒める=甘やかす」ではない
承認や褒賞に慣れていないと、「そんなことで褒めたら図に乗るのでは?」と不安に思うかもしれません。でも実際には、承認こそが人を成長させる燃料になります。
「やったことに正当なフィードバックが返ってくる」。この信頼があるからこそ、人は次のチャレンジに踏み出せるのです。
書く・残す・共有する仕組みを
口頭だけで終わらず、スコアカードや週次ミーティングで成果を見える化することもおすすめです。「あの時、認めてもらった」という記憶が曖昧にならないよう、記録に残す仕組みもリーダーの工夫のひとつです。
承認力がチームを動かす
コミュニケーションが得意でなくても、リーダーとして人を動かす力は磨けます。EOSの実践にあるように、承認は感情ではなく「技術」として捉えられるからです。
一人ひとりの努力を認め、正しく報いる。この“承認の技術”こそ、女性リーダーが持つ強みと組み合わせることで、本質的な信頼を築けるリーダーへと成長できます。
まずは「24時間以内にフィードバック」を実践しよう
「後で伝えよう」と思ったまま忘れてしまうことも多いはず。だからこそ、「24時間以内」のフィードバック習慣を持つことが、リーダーとしての信頼形成の第一歩です。